2011年03月19日

「アーティスト」と「興行責任者」

いろいろな違和感がある。

報道の仕方にしても、各テレビ局やネットメディアの対応の違いや、
また原発事故や計画停電に際しての各所の温度差。

ひとつ言えるのは、ネットの存在がなかったらこうまで違和感を感じることはなかっただろうということだ。


違和感というのはからだが感じているということだ。

じぶんのからだは嘘をつかない。痛いときは痛いと声を上げるし、疲れたときは休息を欲する。


身を削って得た実感とそれによる支援は、絶対に嘘にはならない。


糸井重里のいう「自分の3日分の賃金を募金に」というのは、文字通り身を削ることで得られる確かな実感と、それによる支援だ。節電も生活を削る行為である。


震災直後からずっと感じていた違和感がある。

「こういう時だからこそ音楽を/演劇を」という声だ。主にツイッター上で駆け巡ったと思う。

震災当日の夜から中止になる公演も相次いだし、交通機関がマヒした状況のなかで強行されたものもあった。

その思想、想い自体は否定されるものではない。僕も同様に思う人間である。
ただ、それは今ではない。

この違和感の正体を突き詰めていくためには、知識と経験を紐解かなければならない。


おそらくは、「アーティスト」と「興行責任者」が合一であることによる混乱、というか混同であろう。

ある程度規模が大きいものであればこの二つは別である。アーティストはメッセージを届けるし、興行責任者は興行自体の社会的存在意義を明確にし、来場者の安全を確保する。

しかし、市井のライブハウスや小劇場で行われる公演は、アーティストがそのまま責任を負う形で興行が成り立っているので、アーティストの姿勢がそのまま興行態勢に滲み出てしまうのである。

そして、おそらくほとんどの場合は、この事態に際し、詮方ない自らの身の置き場を表現の場に求めたにすぎないのである。
自己満足とまでは言わないが、
自らの存在を社会的に意義のある存在にまで無理に高めようと、殻で塗り固めているのである。


ただ、規模が小さくても、たとえばジャズバーで行われるジャズライブなどは、責任者である店主の裁量で行われ、ミュージシャンはあくまで「仕事」として演奏するわけなので、分けて考えねばならない。

問題なのは「仕事」ではない「遊び」の領域で多くの人を巻き込んでしまうことだ。

今は、アーティストである以前に、一人の社会人として、そして日本人として、できることを考えねばならないときだ。

アーティストという人種は、ただでさえ自己意識が強い。「今の自分にいったい何ができるのか」と責め立ててしまうことも多い。

しかし一人の人間にできることなど限られている。
すでに多くの人が言うように、自分の出来る限りの支援をし、協力をして、経済活動が回るように日常を送ればよい。

自分の「使命」を考えるのではなく、自分に「可能」なことを考える。
それが今だ。



そもそも「こんな時だからこそ音楽を/演劇を」という声は、「こんなときに芸術なんて」という声のアンチテーゼから出てきているものです。

いま現在の僕はこっちの声にどちらかと言えば共感しますが、おそらく時が経てばそれは変質し、震災に託けて芸術文化を非難する声に反駁を感じていくことでしょう。

そんなときに、おそらくは当代最高の演劇人である野田秀樹の言葉が大いに力になると思うのです。


「劇場の灯を消してはいけない」
〜この東北関東大震災の事態に上演続行を決定した理由〜http://www.nodamap.com/site/news/206


当代最高の演劇人であるということは、優れたアーティストでありながら興行責任者でもあるということなのだろう。
それが今の日本を取り巻く芸術文化の現状でもあるが、それはまた別の話。


posted by バトラー at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 執事たちの夕べ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

青い部屋からのお知らせ 〜青い部屋というジバ〜

今日、「キャバレー青い部屋」に行き、以下のお知らせ文を頂いてきました。

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お知らせ


皆様に愛され、四三年間にわたって営業を続けてきました青い部屋ですが、現在、詐欺横領ともいえる犯罪的な被害に遭い、閉店の危機に瀕しております。

オーナー戸川昌子をはじめとするスタッフ一同、ギリギリまでがんばってみるつもりではありますが現状、来年以降の運営の見通しが立ちません。

そこで、とにかく年内一杯をゆかりあるアーティストの皆様方のご助力を得て、「青い部屋救済月間」と名付け、最大限盛り上げていこうという結論に至りました。

どうか一人でも多くのお客様にご来店いただけますよう、スタッフ一同心よりお待ちしております。


そして、これを機に新たな出発といたしまして、<青い部屋友の会>を発足させていただこうと考えております。
この会では青い部屋を愛してくださった皆様に、今後の戸川昌子・NEROならびに青い部屋で活動していたアーティストたちの活動情報を提供していくことを目的としています。

皆様のご参加心よりお待ちしております。


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速攻参加登録はしてまいりましたが、
詳しい方法については追って公式サイトに登録されることでしょう。

戸川さんとも少しお話ししましたが、大事なのは気持ちだ!と、、、

気持ちだけではどうになるものでもありませんが、でも少しの気持ちがあれば、お金に繋がっていくものだと思います。

まずは応援することから。


いま僕はジャズフェスに関わっていますが、3つの「ジバ」があるといわれます。

その土地のいいところを見つけること、「地場」。
夢というエネルギーに人やモノが吸い寄せられていく、「磁場」。
そして、その夢を紡ごうと自分の場を求めて、いつしかそれが故郷になる、すなわち「自場」。


青い部屋には、この3つの「ジバ」があります。
数少ない、というかオンリーワンの場所。


音質がいいわけでもない。
質の良い機材が揃ってるわけでもない。
客席が広いわけでもない。
イスの座り心地がいいわけでもない。
お酒が取り立てて旨いわけでもない。


でも人を惹き付ける「ジバ」が確実にそこにある。
それが青い部屋。

http://www.aoiheya.com/
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2010年04月19日

かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった

DSC01032.JPG


飲みものがたいへんなので、水筒をかった。

マグボトルっていって直接口をつけて飲むのをよく持ってる人がいるのだけど(スタバとかアップルのロゴが入ってたりする)、どうもそれは見た目にあまりうつくしくない。らっぱ飲みしてるみたいでよろしくない。

ひねって、注いで、飲む。

ひと手間あるが、そっちの方がじぶんのからだにはしっくりくる。
でも首からぶらさげて歩くならやっぱりペットボトルのほうがいい。

朝入れた紅茶が夕方になっても温かく、ゆるやかに感激した。
たっぷりと入れて持っていったつもりだったが、飲めば飲むほど渇いていく感じがしてあっさり無くなった。
水が入っていないと元気がなくなってしまうかっぱみたいだ。


こうなると凝り性で、紅茶の茶葉からネットで買った。
まとめた方がお徳なので何種類か詰め合わせた。
ロータスというビスケットのお菓子や、シナモンのパウダーまでいっしょに。

買った茶葉それぞれについての、美味しい淹れ方マニュアルまで同封されていた。
気持ちがこもっていると思った。また感激した。

紅茶はいい。
ミルクや砂糖を入れて飲めるからおもいきり甘くもできるし、香りのよいものはそのままでも愉しめる。

コーヒーはブラックでは飲めないけど、コーヒーはなんだからんぼうだ。

去年、「世界のお茶を愉しむゆうべ」という集まりに参加したのだけど、日本茶、中国茶、紅茶ときて、コーヒーは最後だった。

コーヒーは主張が強すぎて、最初に飲むと舌が麻痺してしまうからだと。

お茶を飲んでかっぱらった、よっぱらったのはあれが初めてだった。

posted by バトラー at 23:06| Comment(0) | TrackBack(1) | すばらしい詩の世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月18日

その視線の二つ先

10日前に降りた東急多摩川線の沼部駅を二つ過ぎ、下丸子駅で降りた。

〜熊田千穂 昭和のノスタルジックなジャズの名曲を歌う〜

下丸子JAZZ倶楽部という月1回のレギュラー企画で、もう17年続いているのだそうだ。

前の日にビデオテープの山をひっくり返していたら、「上海バンスキング」のテープが出てきた。
94年のラスト公演のものだ。放映自体は96年のオンシアター自由劇場解散時に傑作選として特集されたもの。
14年ぶりに一本のビデオテープが、じぶんの目の前に違った意味合いを持って転がり出てきた、というわけだ。

このビデオを夜更かしして観てしまったため少々ぼんやりしてしまったが、でもそのおかげで感慨もひとしおだった。
コンサートは

池野成秋(P) 田辺信男(Ts) 大津昌弘(B) 坂田 稔(Ds)
スペシャル・ゲスト:与田輝男(Ts) 河辺浩市(Tb)

というジャズ界の大御所たちによるスタンダードナンバーと、
「上海バンスキング」で歌われた
「上海リル」「月光価千金」「林檎の木の下で」といったいくつかの曲とで構成された。

特に、彼女が初めて歌った、
「ウェルカム上海」「あなたとならば」このアレンジが素晴らしく良かった。





もともとの上海バンスキングでは、土着的というか、土の匂いがする曲だ。
まるで観る者それぞれがもつノスタルジックさに還元できるかのような。
これが池野先生の手にかかると、いとも洒脱に塗り変えられるのだった。

今回のタイトルにもなっているけれど、
ノスタルジックという言葉を、想い出の中からさらにその先の過去を見る、しかも遠い目をして、、というようなことだと考えると、
今回の場合は
“ノスタルジック”なジャズの名曲を、ノスタルジイそのままに提出するのではなく、
あくまでも彼女がいま歌って映えるように衣を付け変えて、ということだったように思う。

そんなこともあってか、これまで何回も聞いているはずなのに、聞いたことのない声を何回か聞いた。

posted by バトラー at 01:02| Comment(0) | TrackBack(1) | ライブレポート・CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

人はいつか海へ還る

Image529.jpg

東急多摩川線の沼部駅を出た。
東横線田園調布の2つ先だが、地名は「田園調布本町」だった。
しばたはつみの葬儀式場へ向かう。

桜は満開だというのにこの寒さ、そしてしとしと降る雨。
前日の通夜では東儀秀樹による演奏があったという。
葬儀・告別式は多くの一般の参列者を交えて恙無く、滞りなく行われたという印象だった。
御礼棺に花を手向ける機会も頂けた。
安らかなお顔だった。

出棺時の喪主様の挨拶のときに、雨がひときわ強く降り出した。
彼女が生まれ育った場所に近いところで、ということでこの地での葬儀になったという。
そして、彼女が好きだったという「桜坂」の桜を是非見て行って欲しい、とのことだったので帰りに街路案内図を見ながら立ち寄った。
緩やかな傾斜の道の両脇に桜並木が広がり、その両岸を繋ぐように橋が架かっている。その名は「桜橋」。
http://www.netpro.ne.jp/~itaru/sakura/

坂に桜、そして雨。
もし今後、これと同じような組み合わせの景色に出会うことがあったら、この時のことを思い出すのだろう。
どうして、誕生日を間近に控えた桜満開の時期に、見据えたように去ってしまうのだろう。

タイトルは会葬御礼と共に配られたマキシシングルの表題曲から。
鴨川シーワールドのテーマ曲だそうだ。
タイトルから受けるイメージとは違い、軽快なリズムに乗ったファンキー!な曲だ。

大好きだという海へ還って行ってしまったのか、あるいは南十字星になったのか。

ありがとうございました。ご冥福を、お祈り致します。
posted by バトラー at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | オシラセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

上海バンスキング・夢と歴史と物語

●歴史を題材にした芝居さえ、今や歴史の中に入ろうとしている

3/3、チケットを取ってもらって、16年ぶりの再演になるという「上海バンスキング」@シアターコクーン へ。コクーンは「タンゴ・冬の終わりに」を観て以来だ。劇場へ赴く機会もめっきり減った。

ばたばたしながらどうにか着席し、笹野高史のトランペットが響き渡り、串田和美のクラリネットが高らかに受け止めて、「上海バンスキング Swinging Jazz Musical Show!!」のロゴが刻まれた緞帳が上がり、物語が始まったあとも何故か拭い去れない違和感。
お客さんは、待ち侘びている。だから、吉田日出子演ずるマドンナが出てきただけで拍手が巻き起こるし、名台詞や名場面で必ず湧き上がる熱狂。それらのことが1930年代の上海を舞台にした劇世界とどこかそぐわない…。歴史を扱っているはずなのに、そのことが手触りとして感じられない。

購入したパンフレットにあった作者・斎藤憐の「歴史を題材にした芝居さえ、今や歴史の中に入ろうとしている」という言葉を後で目にしてから合点がいった。
上海バンスキングという歴史の中からさらに題材となった歴史を披けて見ることになるので、どこか遠い出来事のようになってしまいフィルターを通したような視点になる。
でも、そんなことは進むにつれ、気にならなくなった。じぶんもすぐにその熱狂の中の一員となったからだ。

1場が終わって四郎とまどかがダンスホールで働くことになったあと、舞台はそのダンスホール「Rally's Place St. Louis」へ移る。演者みずからが劇中の楽曲を演奏することもこの作品の肝だ。

ビッグバンドの「W・MATSUMOTO DANCE BAND」という文字に目が行く。
「マツモトはバクマツのマツか、、Wはなんだろうな、、男の名前だから「ワタル」だろうな、、そうか、海を“渡る”のか」
そう考えると、まどかの名字の正岡も「正しい丘を越える」と読めるし、四郎の波多野も「波の多い野」を過ぎるとも読める。リリーも野に咲く一輪の百合の花を表しているのかもしれない。

そんなことを他愛もなく考えながら音楽と磨き込まれたストーリー、気の利いたセリフに惹き込まれて、休憩込みの3時間余はあっというまに過ぎて行った。


●劇世界を形づくる、相対するふたつのものたち

改めて考えると、この上海バンスキングという芝居は、あらゆる対立するもの、あるいはペアになるものを多数組み合わせて構成されていることがわかる。
その二つのものの距離を計ったり意識させることが、作劇の上での重要なファクターとして成り立っている。

曰く、
芝居と音楽、役者とミュージシャン、ジャズとクラシック、西洋と東洋、日本と中国、日本とアメリカ。
個人と社会、右翼と左翼、軍人と市民、有事と平時。
男と女、つまりまどかと四郎、バクマツとリリー。友情と愛情。男同士のそれと、女同士のそれ。
出会いと別れ、再会。主舞台となるバクマツの家とダンスホール、共同租界とフランス租界、幻覚と現実、
そして、夢と現在。

探せばまだまだあるだろう。一言で言ってしまえば、上海という場所が抱えていた多面性、を縦横無尽に捉えた結果なのかもしれない。

あるいは、対立ということでないかもしれないが、年を経た出演者たちが年齢差のある役柄を演じるということ、
演じ手と観客、それぞれの16年前の記憶の中にある「上海バンスキング」と、いま新たに創り上げられた「上海バンスキング」との距離を計る作業もそれに比類することであるかもしれない。


長い長いカーテンコールの終演と同時に、事前に教えられていたようにロビーに飛び出す。出演者たちがロビーで送り出しの演奏をすることを知っている他のお客さんとともに、いい位置を確保しようと自然と小走りになった。
ここでまた出演者たちは役者の顔からミュージシャンの顔になり、そしてお客様にありがとうを言う顔になるのだ。

ロビー中央の大きな柱の角に凭れながら演奏を聴いていると、後ろから肩を叩かれた。振り返ると、見知らぬおばちゃんが携帯を手に「撮ってもらえないかしら」。
吉田日出子のいい顔を収めようと苦戦したが、結局2回撮って差し上げた。
僕自身は、携帯で写真を撮るという文化を持たないので、ただ脳裡に灼き付けるに留めた。
記憶などいつの間にか都合のいいように書き換えられてしまうけれども、それでも、記憶のなかにあるものだけが、確かなものだと信じている。
posted by バトラー at 17:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ライブレポート・CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月28日

DiVa@南青山MANDALA

南青山マンダラでのDiVa「聖夜のつづき。」へ。

よく考えたらDiVaのライブを観るのはまだこれで4回目なのだ。CDでも聴いているし、makoringのライブによく足を運んでいるのでそんな気がしないが。

今回のステージは明らかにこれまでと趣きが変わり、
ゲストとして参加したドラムの鶴谷智生さんの存在感があまりに大きかった。
いや、一人加わっているわけで、演奏が変わって当たり前なのだけど、
そのことがあまりに明確にクリアに響いてきたので驚いた。

たとえばジャムセッションなんか聴いていても、シロートの僕の耳には正直どの楽器の音もぐちゃっと重なってしか聞こえてこない。

しかし、ピアノ・谷川賢作さん、ベース・大坪寛彦さんの叩き出す音があまりにそれぞれとして個性を遺憾なく発揮していて、
そこに鶴谷さんの音が加わると、これはもうグルーヴとかスウィングとかしか呼べない類のものだ(と思う)。

「舌の上にピラミッドが立つ」なんて表現が錯綜気味の料理漫画にあるけれども、それに倣って言えば聴覚を司る脳内に綺麗なミルフィーユが並んでいく、というような。

かなり前の方で見ていたのだけど、
目の前で起こっているセッションの凄まじさにただ圧倒されるのみだった。

たとえば、これを映像で記録しろったって無理だ。
感覚がフリーズしてしまって、ただ傍観することしかできない。

本当に凄いライブは、映像でなんか記録できないもんだと思った。

アンコール前のラスト「そらをとぶ」は本当に鳥肌ものだった。

大ラスは、「かえる」
これは谷川俊太郎の朗読が入ったもの。
posted by バトラー at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ライブレポート・CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

10/17(土)右足のショウガール 〜あなたのピアフ SideSession〜

DSC01002.JPG
たいそう時間が経ってしまいましたが、あなたのピアフSideSession 〜右足のショウガール〜、
大盛況の裡に終了致しました。

ご出演の皆さま、スタッフのみんな、そしてなによりご来場頂いたお客様!
当日青い部屋にてお立会い頂いた、計92名の皆さま全てにアツく御礼を申し上げます。

今回は、女性ばかりの出演者計21名+1匹のウサギさんにより盛大に行われたわけですが、
この企画の原型は、昨年の秋に行われた「あなたのピアフ〜スプラッシュ・ガール!〜」です。
この回も女性のみの出演により個性的でパワフルなパフォーマンスが続きましたが、
この際に出演したniccorhythm*と、紫ベビードールを柱に、魅力的な女性のみのパフォーマンスチームを集めて「ショウガール」というコンセプトの許に華やかにお届けする一夜は創り出せないか、と今回の企画はスタートしました。

しなやかにしたたかに、
淑やかにたおやかに、
なおかつセクシーでエキサイティングでコケティッシュな夜の模様を、順番に振り返ってみたいと思います。


まず、OpeningActとして最初に登場したのは「その名はスペィド」からの二人、Bee&Janeによる「amourette」です。
スクリーンの世界からそのまま飛び出てきたような黒を基調とした衣装が意外にもオーセンティックで可愛い。
曲目の中でステッキを効果的に使ったアイディアが面白く、黒い衣装と相まって魔女風、というか小悪魔?のような雰囲気を醸し出していたのが印象的でした。
10分余りの短いショウでしたが、構成がよく練り込まれていて、この日の幕開けを飾るに相応しいパフォーマンスとなりました。

さて、ショウが終わるや否や、二人は本日のMCに早変わり。
MCとはただ司会者の役割として喋ったり進行したりするだけではなく、「Master of Ceremony」としてイベント全体のシンボル的存在でなければ、、と考えているのですが、それに二人はピッタリでした。
「司会なんて初めてですーやったことありませんー」
そんなことは関係ありません。大事なのは選ばれた存在であるということと、あとは気持ちです。


続いてオープニングの勢いをそのまま引き継いで登場したのは「チャラン・ポ・ランタン」。
後ほど登場するマイノリティオーケストラを率いるアコーディオン・小春と、歌のももちゃんによるユニットです。
短い時間での演奏でしたが、アコーディオンという楽器が持つ底深い音色をもとに、
オリジナル曲・シャンソン・ロシア民謡と、幅広い世界を見せてくれました。
Youtubeに画像が上がっています。
「カチューシャ」



続いては「ストロベリーサンダース」。ヤスミン&愛&AYAXXによる3ピースユニット。
三者三様の身体的バックボーンを持つ3人による華やかで流麗なダンスアクトが、ステージ上で綺麗な絡まりを見せていきます。
ステージだけでは飽き足らず、青い部屋のバーカウンターまでも派手に使った愛ちゃんのソロパフォーマンス、個人的には久しぶりに見れて嬉しかったなあ。。
スタンダードナンバーに乗って、ゴージャスなショウが展開する時間は、ひと時の夢のようでもありました。

ストロベリーサンダース.jpg

続いては「マイノリティオーケストラ」。
アコーディオン・ドラム・アルトサックス・トランペット・トロンボーン・ベースと、賑やかな編成で織り成す、民族系音楽をベースにジプシーミュージックやクレズマーを演奏するバンドです。
このバンドの特徴は、みんな若い!ということ。いや、それを一番に挙げるのはいかがなものか?
でも高校のときから5年?ほどやっているので、キャリアは相当のものなのです。

最初はアコーディオン・小春の軽快かつ速射砲のような喋りを合間に挟みながら代表曲の数々を。
当たり前なのですが、同じ楽器を使ってさまざまな曲調が表現できるものだなあ、と素朴な感想を持ちました。
前半のインストでの演奏でそのことをより強く思い知らされたのは、彼らの紡ぎ出す音楽がより音楽の原初の形に近いものだからではないか、という気がします。

後半はヴォーカルのももちゃんを加えてさらに華やかに。
「アラビヤの唄」

マイノリティオーケストラのライブ映像は多数見られるようです。

小春とももちゃんのブログではより詳しく当日の模様が。
http://ameblo.jp/suttokodokkoi-blog/entry-10367398880.html
http://ameblo.jp/charan-po-rantan/entry-10367491551.html

ライブハウスのみならず、大道芸やイベント会場など、精力的な活動をされていますが、
目下の一大イベントとしては、11/15(日曜日)に新宿ロフトプラスワンにて行われるワンマンライブ!でしょう。
ストロベリーサンダースもゲストで参戦されるようです。
詳細はコチラ


この悠然としつつ騒がしい夜も、いよいよ佳境に入っていきます。
お馴染みな方にはすっかりお馴染み、初めて見る人でも残らずその魅力の虜になってしまうポップでキッチュなダンスパフォーマンス集団「紫ベビードール」の登場です。

いつもはビキニパンツの男の子「チェリーズ」を加えたパフォーマンスが展開するのですが、この日は彼らにはお休み頂き、5人のベビーのみによるエレガントなステージ。
当然かもしれませんが、選曲も違えばコンセプトも違う。
でもそれが、いつもの青い部屋で見る彼らのパフォーマンスとは一線を画した耀きを放っていて、あらたな一面、スポットのあらたな当て方を発見した気がしました。

この日の客層は年齢性別問わず非常に幅広く、シニアな方も大勢いらっしゃいましたが、彼らに紫ベビードールを体験?してもらえたのがなんというか、小気味よかったな。。

旺盛な活動をされていますが、なんといっても間近に迫った主催イベント、
11/21(土)@吉祥寺スターパインズカフェ「紫ベビードールのWonderful World TV! ch.6」をご紹介したいと思います。
詳細はコチラ


そして最後の出演は「niccorhythm*」
宮崎有加(vo)・宮脇裕子(tp)・大橋祐子(pf)・江川綾(b)・佐藤ことみ(dr)の5人組。

普段は個々でジャズ界を中心として幅広く活躍されていますが、この「ニッコリズム」はそんな彼女らがあらたな地平を切り開くべく結成された、スタンダードジャズから昭和歌謡のカヴァーまでオールジャンルにこなすバンドなのです。
この日が初披露となった、なぜか80年代ロックなオリジナル曲から始まり、
「小指の想い出」「銀座カンカン娘」といった独特でキュートなアレンジが為された昭和歌謡のカヴァー曲が続きます。
特に「カモナマイハウス」でのフロントの二人による振付が可愛かったな。。

後半は「KNOCK ME A KISS」「Deed I Do」といったジャズスタンダードでムーディに締め括られていき、
最後の曲は「ラッパと娘」。


次回は11/19(木)、新宿 Jazz Spot Jにてワンマンステージが、
12/24(木)のクリスマスイヴには上野アリエスにてスペシャルステージがある模様。
詳細はコチラ

クローズには「涙の太陽」が演奏され、
そして大きな拍手のなかアンコール、聴き慣れたイントロが聞えてきました。
曲はもちろん「キャバレー」。


前から楽しみにして来て下さった人、
たまたまこの日、誘われて足を運んだ人
そして、会場に来たくても来られなかった人、、
すべての人が立ち会う中で、ひとつのLIVEイベントが形づくられていきます。

ステージの上の出来事のみならず、そこに立ち会った人たちの人生が一瞬に交錯する、それが醍醐味だと思うのです。
そしてそれこそがまさにLIVE(=生きる)ということだと思っています。

皆さまに、ショウの楽しさを伝えることができたでしょうか。。


そして最後は出演者総出のカーテンコール!壮観でした。。。

フィナーレ.JPG

というわけで、
個人的にはあっという間に駆け抜けるように終わってしまった感がありましたが、ご来場の皆様にはたっぷりと愉しんで頂けたのではないかと思います。
そして、今回の敢闘賞はなんといってもこの二人!

amourette.jpg

この二人がいなければ今回の成功はありえず、イベント自体も別物になっていたでしょう。
常にお客さんと同じ目線に立って、出演者と客席を繋ぐ役割を果たしてもらえたと思います。
本当にありがとう、そしておつかれさまでした!


さて、次回は来年でございます。
「あなたのピアフ 〜トリコロール 赤の歌姫〜」にて皆様のお早いお帰りをお待ちしております。
また、お逢い致しましょう!
posted by バトラー at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

11/6 黒船レディと(ものスゴい!)銀星楽団 〜また逢う日まで〜 @渋谷JZ Brat

昨日は、黒船レディと銀星楽団の活動休止前のファイナルライブだった。
今回は、渋谷JZBratにて大編成の「ものスゴい!銀星楽団」での登場とのこと。

向かう地下鉄のなかで考えていたのは、銀星楽団のベスト5曲を挙げるとしたら何かなあ?ということ。
そんなことを考えてもしょうがないし、5曲になんか収まらないんだけど。
それでも考えたのは、

バンドの代表曲「古本屋のワルツ」、
世界観が際立つ「Bandoneon」、
フルアルバムのなかで一番好きな「Collage」、
他の曲群から一線を画す「Polar Star」、
最近作から「燕〜TSUBAME〜」、

この5曲。やっぱり全部オリジナル。
その中でも、代表曲「古本屋のワルツ」のなかの、


きっと いつかレールは交わって 再びめぐりあう


というフレーズが頭のなかに呼び醒まされた。
そう、今日のライブはいったんのお別れであるけれども、またあらたな出発点でもあるということを感慨深く見つめていたからだ。
初めて、アルバム「古本屋のワルツ」を買って聴いたとき、一週間ほど歌詞とメロディが頭のなかをぐるぐると駆けめぐっていたことを思い出した。

渋谷の雑踏をかい潜ってJZBratに到着、案内されて席に着くと、置かれていたパンフの黒船レディ(水林史)によるごあいさつ文に、まさにその「古本屋のワルツ」の歌詞のことが書かれていた。
その時に、ひとつの歌に対して想うことは創った本人も聴いている聴衆もみんな同じなんだという気がして、そのことは不思議でもなんでもないように思えた。


1stステージはオリジナル曲中心の構成。
お馴染みのものから、今年に入ってからの新曲まで。

なかでも、予てからの念願だったという映像とのコラボレーションは素晴らしかった。
大野一興氏によるアニメーションが付けられた曲は「亡き王女のためのパヴァーヌ」「Bandoneon」の2曲。

これまで、「Bandoneon」という曲を聴いて思い浮かべていたのは、
おそらく南米の港町、そしてそこからそよぐ風になびく窓のカーテン、そしてなぜか俳優フィリップ・ノワレ。
このイメージが間違っていないことにこのアニメを見ていて気づいた。
いや、想像の世界のことに間違いもなにもないんだけど。

そう、黒船レディと銀星楽団の音楽における特筆すべきことのひとつは、歌詞の世界に描かれた情景が鮮やかに脳内に浮かび上がってくることだ。

「Bandoneon」から「古本屋のワルツ」への導入を迎えたところで、アニメーションは終わった。
あたかも、この先の情景は見ているあなたがそれぞれに想い浮かべてください、とでも言うかのように。




2ndステージはホーンセクション(トランペット・トロンボーン・テナーサックス・バリトンサックス)を加えて賑やかに。
カヴァー曲とオリジナル曲を交互に、そしてゲストの8282男爵こと矢舟テツロー氏を迎えての2曲、
「Doop-Doo-De-Doop(A Doodlin’Song)」
「Fun Time!」


矢舟氏は、本当にいつ見ても憎たらしいほどお洒落だ。

そして終盤に差し掛かり、リリー婦人(廣田ゆり)渾身のホーンアレンジが加えられた曲が続く。

「Polar Star」、作曲者もリリー婦人ではないし、歌詞の世界観、というか視点、立脚点が違うのかな、とにかく異色の曲だと思う。
8月に二子玉川ライラで聴いたセニョ〜ル・モリコ(古森貞之)氏のギターソロもよかったけど、
ここでのポールお兄様・菅野浩氏によるバリトンサックスの演奏も曲の新たな側面を引き出しているようだった。

そして「燕〜TSUBAME〜」、この曲のアレンジは圧巻だった。
これは3月で卒業したソルトリバー伯爵(塩川俊彦)が置き土産に残していったもので、ライブで聴き重ねていくうちに少しずつ素晴らしさがわかってきた新しめの曲なのだけど、この日初めてホーン隊が加わった演奏を聴いてまさに大きな旅をするツバメのごとく壮大で、なおかつ繊細な進行をする曲だということがわかった。

思えば、この曲のなかの「それぞれの旅路へ、、」という歌詞もいつかはやってくる未来を予見するものだったのかもしれない。

そして、最後の曲「上海」のあとは、
アンコールに“悲しみにさようなら”ともいわれる「Tristeza」。
立ち上がって踊りたかったなあ。そうすれば良かった。


そして、オリジナル曲の多くの作曲を手掛けてきたリリー婦人の卒業も発表される。
バンドというものも、どこまでいっても主宰者のものである一面は否定できない。
それは人気のある小劇団の多くが、結局は主宰者のカリスマ性に依っているものであることと似ているかもしれない。
これは僕自身の意見。
しかし、そんな集団にしても当然周りの人たちのサポートなしには立ち行くものではないし、
その劇団やバンドそのものを愛し、応援やサポートをし続けている人が多くいることも、当然忘れちゃいけないことだと思う。



私も あの本もきっと
物語のような旅を続けているのさ
きっと いつかレールは交わって 
再びめぐりあう



最後は、お二人で「桃の花」を演奏して終演。



レポートっぽく書くつもりはなかったけど、見れなかった人も多くいたとのことで。
結局、冒頭に挙げた5曲のうち、卒業したソルトリバー伯爵がコーラスで参加する「Collage」以外はすべて聴くことができた。


終演後、挨拶してたら、去年の青い部屋で二人を初めて見ました、というお客さんの方がたまたま横にいらっしゃって嬉しかったな。

そういう意味でも、イベントを企画して良かった。それをきっかけとして、出逢ってくれた方がいた、ということだから。
そのきっかけをつくってくれたのも、他ならぬ黒船レディと銀星楽団の演奏だった。
彼らがいなかったら、彼らの演奏を聴くことがなかったら、僕の人生は違ったものになっていただろう。
そういう存在のものは他にもあるけれど、その中でも特別なものであることは間違いない。

黒船レディと銀星楽団に、そしてお二人に逢えてよかった。

また逢える日を楽しみにしています。


※先に挙げたYoutubeの先にも何曲か映像が上がっています。
以下のマイスペースでも聴くことができます。
http://www.myspace.com/kurofunelady
posted by バトラー at 16:00| Comment(1) | TrackBack(1) | ライブレポート・CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月17日

10/17(土) 右足のショウガール @青い部屋

右足のショウガール 表.jpg          右足のショウガール 裏.jpg

ジャンルの垣根を超え、個性と実力ある女性ヴォーカリストを
紹介してきた「あなたのピアフ」SideSessionとなる今回は、
華やかなステージの世界に生きるショウガールたちに注目。
女性出演者ばかり総勢20名でお届けするカラフルな一夜!


〜右足のショウガール〜

10月17日(土曜日)
18:30 OPEN 19:00 START 23:00 CLOSE

【LIVE】
niccorhythm*<宮崎有加・宮脇裕子・大橋祐子・江川綾・佐藤ことみ>
マイノリティオーケストラ

【SHOW】
紫ベビードール
ストロベリーサンダース

【MC & OpeningAct】
amourette <Bee & Jane(その名はスペィド)>

Charge:¥2500+1DRINK(¥500)

渋谷・青い部屋
渋谷区渋谷2-12-13 八千代ビルB1F (渋谷駅東口より六本木通り沿いに徒歩7分)
TEL:03-3407-3564 MAIL:inquiry@aoiheya.com 


フライヤーデザイン/小早川ひとみ〔URL

=================================================

niccorhythm*〔URL〕〔MySpace
佐藤ことみ(dr) ・宮脇裕子(tp)・江川綾(b)
大橋祐子(pf)・宮崎有加(vo)
niccorhythm.jpg
ジャズをベースにあらゆるジャンルを小粋にMIX、Girls Jive Band!

マイノリティオーケストラ〔URL
マイノリティオーケストラ.jpg
民族系音楽を得意とするヘンテコジプシーバンド!

紫ベビードール〔URL
MURASAKI_BABYDOLL.jpg
「愛」をテーマに踊るポップでキッチュなダンスパフォーマンス集団

ストロベリーサンダース
ストロベリーサンダース.jpg
スタンダードでスウィングする3ピースフラッパーガールステージ★

amourette <Bee & Jane(その名はスペィド)>
amourette.jpg

******************************************************

皆さまお待たせ致しました!
青い部屋LIVE企画「あなたのピアフ」からのSideSession、「右足のショウガール」のご案内です。

これまでの歌姫のLIVEに加え、個性的なSHOWを魅せてくれるダンサーたちが集いました。
過去最多の出演者によりゴージャスかつパワフル、そしてエレガントにお届け致します。

小早川ひとみさんの描き下ろしイラストにも要注目のフライヤーは、青い部屋を中心に配布を開始致しました!

どうぞ皆様のお早いお帰りをお待ちしております。
posted by バトラー at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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